ねえ好きって言って 【完】
恵恋を取られたくない思いから
俺はそんな嘘をついてしまっていた。




「そっか」

わりぃな、凪。
恵恋は誰にも渡したくないんだ。




「でも、俺は恵恋が好きだから例え零太が彼氏でも手加減はしないからっ♪」




ニコッとVサインをしてきた。




「あぁ」




凪が諦めないことくらい
分かりきっていた。

…ぜってー負けねえ。




「それと、人の彼女の名前呼び捨てにすんな」




こいつが、恵恋って呼ぶ度に
なんかイラッとするんだよな。
理由は分かんねーけど。




「ふんっ恵恋と俺は友だちだからいいもんね」

「凪っ…」






「零太、これだけは言っておく。恵恋を悲しませるようなことしたら絶対許さないから」

「そんなこと分かってるってーの」




当たり前だ。
恵恋は俺が守るって決めたんだから。
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