【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



「お前、なんでそれ……」



「なんで教えてくれないの……?」



「それは、」



「ずっと、和泉は私だけの和泉だって思ってたのに……っ」



やばい。そのセリフはやばい。無意識に口角が上がる。俺のこと好きなのかと思う。



「ほかの人のものになっちゃやだ……っ」



──可愛すぎる。俺のこと離したくないって思ってるのがわかるから。もういいよな?これって俺悪くないよな?

羽歌が、可愛すぎるせい。




「羽歌、ちょっと離れろ」



「や、だっ」



「大丈夫だから。俺に顔見せて」



「っ……」



ゆっくり、羽歌が離れる。その腕をぐっと引いて、強く抱きしめた。──ここで、ずっとジッとしてろよ。



「俺はお前から離れない。

でも、羽歌は違うだろ?付き合ってるヤツいるんだから」



そう言いつつ抱きしめてるなんて、ほんとに最低だよな。言ってることが、矛盾しすぎてる。



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