【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「でも、やだっ……」
完全に酔いが醒めてないのか、いつもより弱気で、瞳から透明な雫をいくつも零してる。
羽歌は、簡単に泣かねぇのに。
「羽歌のこと、俺も大切だから。
ちゃんとそばにはいてやるけど」
「ずっと一緒じゃなきゃやだ……」
なぁ。
「お前……俺のこと好きなの?」
さっきから、言ってることがそうとしか聞こえない。羽歌に目線を合わせて、指で涙を拭いながら聞けば。
「わ、かんない……っ」
「そっか」
「でもっ、和泉を取られたくない……っ
ずっと一緒じゃなきゃ嫌なの……」
「俺といて、ドキドキする?」
首を横に振る羽歌。じゃあそれは好きなわけじゃなくて、ただいとこだから離れて欲しくないというただの独占欲だ。
「っ、でも。
──和泉に彼女がいたって知ってから、ずっと苦しいの……っ」