【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
羽歌の指示に了解の返事をして、持って帰ってきた荷物を自室に運ぶ。
中から洗濯物や小物を取り出して片付けていれば、リビングのほうからは掃除機の音が聞こえる。
羽歌は、お嬢様だけど。
こんなふうに、普通の生活で必要な用事もテキパキとこなすことが出来る。自慢のお姉ちゃんだ。
「羽歌ー、終わったよー?」
結構時間をかけて荷物を片付けたあと、羽歌のもとに戻れば、「お疲れ様」とジュースを出してくれる。
「これ、期限大丈夫?」
「開けてなかったジュースだから大丈夫よ、失礼ね」
怒られてるのに、羽歌と一緒にいられることが嬉しくて、ふふっと思わず笑ってしまう。それを見て、羽歌が眉間を寄せた。
「もう。洗濯は帰ってきてからするから。
布団干し終わったら、買い物行くわよ」
「はぁーい」
羽歌がリビングを出ていく。出してくれたグラスのジュースを飲み干して、立ち上がると自室に戻った。
貴重品だけ持っていけばいいよね。
「羽紗、行くわよー」
少ししてから羽歌に呼ばれて、財布とケータイだけ持ったわたしは、部屋を出た。