【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「まだあっついねー……」
「そうね。もう夏休み終わるのに」
「でも、意外だったなぁ……
羽歌が、岬と付き合うなんて」
「……そう?」
だって、羽歌は明るくて優しい、穏やかな人がタイプ。確かに岬は優しいけど、穏やかとは言えないもん。
だから乃唯と結ばれるはずだったのに、岬と結ばれたことが不思議だった。
「そういえば、やっぱり乃唯は羽紗たちが何をしようとしていたのか知ってたの?」
一瞬ぎくりとしたけれど、隠したって仕方ないよね。羽歌に、「乃唯には羽歌と近づくチャンスだから」と言って協力してもらったことを話した。
──わたし、は。
「咲乃が好きって、言ったの」
そうすれば彼はわたしを放って、羽歌だけを素直に想うことが出来る。わたしの気持ちよりも、羽歌の幸せが優先だったから。
──でもまぁ、失敗だったんだけど。
「やっぱり乃唯は知ってたのね」
何もかもわかっていたようなその言葉に、思わず「ごめんなさい」と言いかけたとき。