【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



「まだあっついねー……」



「そうね。もう夏休み終わるのに」



「でも、意外だったなぁ……

羽歌が、岬と付き合うなんて」



「……そう?」



だって、羽歌は明るくて優しい、穏やかな人がタイプ。確かに岬は優しいけど、穏やかとは言えないもん。



だから乃唯と結ばれるはずだったのに、岬と結ばれたことが不思議だった。



「そういえば、やっぱり乃唯は羽紗たちが何をしようとしていたのか知ってたの?」




一瞬ぎくりとしたけれど、隠したって仕方ないよね。羽歌に、「乃唯には羽歌と近づくチャンスだから」と言って協力してもらったことを話した。



──わたし、は。



「咲乃が好きって、言ったの」



そうすれば彼はわたしを放って、羽歌だけを素直に想うことが出来る。わたしの気持ちよりも、羽歌の幸せが優先だったから。



──でもまぁ、失敗だったんだけど。



「やっぱり乃唯は知ってたのね」



何もかもわかっていたようなその言葉に、思わず「ごめんなさい」と言いかけたとき。



< 259 / 368 >

この作品をシェア

pagetop