【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



【side岬】



──羽歌が、咲乃や羽紗とバーで待ち合わせしていた時刻。



「あれ、あいつ来てねーの?」



俺は、心響の倉庫に来ていた。



中に入って羽紗がいないことを訊ねれば、「今日は来ねぇよ~」とゆるーく夕咲が返してくる。来ないのか。



つーか、梓眠そうだな。



「徹夜か?」




梓のとなりに腰かけて問うと、目元を袖で拭う。男だけどその仕草が似合うのは、おそらく梓の持ち前の可愛さ故だ。



「みーくん、おはよぉ」



「もう昼だからな」



わしゃわしゃと梓の頭を撫でると、「ゲームしてたら朝になっちゃったの」と一言。



……ゲームかよ。



あー、そういえばハマってるゲームがあるとか言ってたもんな。徹夜でゲームしたいっつうのはわかるけど、俺の場合途中で眠くなってやめる。



「ふあぁ……

ねぇねぇ、羽歌ちゃんはもう来ないの……?」



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