【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「もしも、嫌って言ったら?」
「その時はそっちの女も連れてく」
「わかった。先に帰りなさい」
羽歌にぽんと背中を押されるけど、繋いだ手を離せない。だって、ひとりになんて出来ないよ。何されるかわからないのに。
「羽紗。──犠牲者を増やしたくないの」
「っ……」
「すぐに咲乃や乃唯に連絡して。
私はあなたの姉なんだから信じなさい」
羽歌の手を、ゆっくり離す。私に微笑んでくれた羽歌は、自ら男たちの方へと歩いていって。
私は、ぎゅっと拳を握り締めると来た方向へと走って引き返した。
角を曲がってすぐに、ケータイをポケットから取り出して。ちらりと向こうを覗き込むと、羽歌は男たちと一緒に車に乗り込むところだった。
『どうした?羽紗』
「乃唯っ……!」
状況を知らせると、車のナンバーわかるか?と訊ねられた。残念ながら、車のナンバープレートは外されているのか、見えない。
とりあえず聞かれた車の特徴を伝えると、迎えに行くから、近くの店の中に居ろと言われて。
すぐそばのコンビニで待つと伝えて、羽歌の無事を願いながら彼を待った。
【羽紗sideend】