【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



これだけ聞くと、とても呆気なく終わった気がする。



いや、実際、呆気なく終わった。



羽歌が巻き込まれたことも傷つけようとしたことも、佐原くんは羽歌が目を覚ましたら謝ると言っていたみたいだから、近いうちに謝りに来るはずだし。



お母様とお父様は、やはり不良と関わることを良しとはしないみたいだけど、ね。



「夕咲。──あれ?咲乃は?」



「ん~?おお、羽紗~。

咲乃なら、どっか散歩して羽歌の部屋行くっつってたから、入れ違いだねぇ」



そうなのか。じゃあ、夕咲と帰ればいいのかな。




「夕咲、行こ?」



「……ん。

──あ、羽紗。ひとつだけいいか?」



なぁに?と、彼に尋ねる。



「お前……乃唯と、復縁すんの?

もしくは、咲乃と付き合うとか」



……え?



「乃唯のこと、好きなんだろ」



ずし、と何かが重くなる。──確かに、私は乃唯のことが、いまでも好きだ。

でも、彼と復縁する気はどこにもなくて。



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