【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
咲乃が言ってた。
そう言って、ふっと口角を上げる乃唯。
「あのねぇ、乃唯。
そういうのは、言うもんじゃねぇの~」
隣の夕咲が、ゆるーく返すから、頬が一気に熱を持った。なっ……う、あ……告白されたあとで、花言葉を聞いてさらに恥ずかしくなるってどうなんだ……っ。
「咲乃、そういうの詳しいものね。
だから、あえて咲乃を選んだのか……ふふ。いいじゃない、幸せそうで」
「まるで自分が幸せじゃないみたいだな」
「岬……別に、そんなことないわよ?」
羽歌が、こてんと首をかしげる。
「ただ、羽紗が幸せそうだから」
「実は羽歌って、誰よりも平和主義だよね」
「咲乃……お前、自分が1番こいつのこと知ってるみたいな言い方すんじゃねーぞ」
「え?だってそうでしょ?」
「っ、てめ……!」
余裕げな咲乃と、怒る岬と。それをくすくす笑って見守る羽歌と、呆れたような乃唯と稀沙。
何気ないその時間を、見つめていたら。