【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



ほんの少し怒り気味のその声に、「悪かった」と謝れば。



「……別にいいもん」



ふいっと、顔をそらして拗ねてしまう。



え、拗ねるとこあったか?



確かにすぐに気づかなかった俺も悪いかもしれねぇけど、リビングの光が漏れてくるから、玄関は普段から電気をつけてない。



だから、暗くて気づかなかったってのもあるし。



「羽歌、拗ねんなよ」




メイクしてなくても可愛いのに、と羽歌のほんのりとオレンジの乗せられた頬を指先で撫でれば。



「拗ねてない……」



「拗ねてんだろ」



「拗ねてないってば……」



「じゃあ、なんで今日メイクしてんの?」



「っ、」



そういえば。



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