【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
今日は、〝澪さんと電話で話す約束してる〟とか言ってたよな。
「誰かから言われたのか」
ふ、と言葉を落とせば、ぴくりと羽歌の肩が揺れた。……やっぱりな。
なんだかんだ、羽歌は素直で隠し事なんて出来ねぇから。こうやって、動きに出てしまう。
「努力してくれんのもいいけど、
もう羽歌は十分かわいいから」
「……ばか」
「おいコラ」
なんでバカなんだよ、と言おうとしたら、近くにいた羽歌が俺の肩に手を置く。そして顔に影がかかると、鼻先が触れ合って。
「そんなこと、言われたら……
贅沢なんて、言えなくなる……」
一瞬触れただけのキスのあと、羽歌がそう言う。
──贅沢?羽歌が贅沢言うことなんて、今までなかったし、わがままは多いけど、好きだから許してしまえる。
「贅沢って?」
ふるふると、羽歌が首を横に振った。これ、絶対なんかあるよな。つーか、見逃せってほうが無理だろ。
「言わねぇなら、今日一緒に風呂な」
「なっ……」