【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
それまでは、妹のような存在だとしか思っていなかったあいつを、守ってやりたいと思ってしまった。
「和泉」
その笑顔が、誰かの次に見せるものだということが、堪らなく嫌になった。
咲乃と羽歌を引き合わせたのだって、俺なのに。
なんで、こんなに後悔してんだよ。
「馬鹿だよな……」
ほんの数時間だけ付き合っていたあの日、優しい言葉なんてかけずに羽歌を自分のものにしていたら。そばにいただろうけど、きっと俺は罪悪感しか感じなかった。
羽歌が、自ら俺を選んでくれねぇと、俺は応えてやれない。
「いとこって都合いいよな……」
何をしなくとも、そばにいられる。
便利で、果てしなく都合のいい関係。
いっそのこと、このままいとこを続ける方がそばにいられるかもな、なんて思い始めた時だった。
「は?岬?」
──俺のスマホに着信を入れてきたのは、あろうことか羽歌のそばにいるはずの岬だった。