【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



──そう。あの日。羽歌が目を覚ました日。



俺は羽歌の病室を出て、それから病院の周りをふらふらしてた。テキトーに寄ったコンビニで、タバコを片手に空を見上げる。



「……なに、話してんだろうな」



あの場には当然、岬もいた。



羽歌が、目を覚ましたとき。あいつは、一番に岬の名前を呼んだ。だから、それが答えだと思った。



今頃、岬やほかの奴らに囲まれて笑ってるんだろう。



「はぁ……」




深く息を吐いたことで、紫煙が舞って宙に溶ける。



自ら望んだことなのに、未練がましい自分が腹立たしい。



あいつは、幸せだろ?



それで、十分だろ?



わかってる、のに……どうして、なんて。



「好きなんだもんな」



咲乃や羽紗に裏切られ、パーティーに出席した後。ホテルの一室で、泣きじゃくっていた羽歌を抱きしめたあの瞬間から。──俺は、ずっと。



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