【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「はよ。
さっき岬から連絡あったし、飯食ったらお前のこと倉庫まで送るから」
「……和泉」
くっ、と、俺の服を握って軽く引っ張る羽歌。一体なんだ。
「暑い……」
確かにエアコン、朝になるちょっと前にタイマーで切れたしな。ふたりでベッド入ってんだからそら暑いわ。
でも、そんな赤い顔と、薄ら額に浮かんだ汗と、そのセリフひとつで。俺の思考は、簡単に飛んでしまいそうになる。
誘ってるわけもねぇのに、都合よく解釈して、羽歌を自分のものにしたくなる。
「水、持ってきてやるから待ってろ」
ベッドの上から降りて、冷蔵庫の前まで行くと、小さくため息をついた。
俺の思考、収まれ。余計なことを考えたら、すぐにでも羽歌に触れたくなるだろ。
「羽歌。水持ってきたけど」
「ありがと」
もぞもぞと起きて、羽歌が俺の手からグラスを受け取る。
そのまま口に運んで水を飲む何気ない仕草さえも色っぽく見えてしまって、思わず視線をそらした。
7つも年下の女子高生相手に余裕ねぇとか、マジで俺の理性って脆いな。