【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
似てるのは、ひとつだけ。容姿だけ。
神無月(かんなづき)グループ、というのは経済力のみならず、秀麗な双子の娘がいると有名だった。
しかし、あの子が有名だったのは秀麗という事実のみで。
──公の場に出ることができたのは、許されたのは、私だけだった。
なぜなら、なんて簡単なことだ。
〝出来が良かったから〟私は、神無月の令嬢として光り輝く外へ出ることができた。
双子の妹──羽紗(うさ)は、親曰く出来が悪かった。
親が認めたのは容姿だけ。
お世辞にも良いとは言えない成績に、どんくさくて欠片もない運動神経。
──不良との、繋がり。
すべてが悪かったから、あの子が表に出てくることはなかった。
だから。
「……行方不明?」
──あの子がいなくなったところで、噂になることはなくて。親が騒ぐことさえなかった。
私がいれば、神無月に支障はないのだから。