私の横に居る人
そんな時、少し離れた所から智樹先輩の声。

「ごめん、ごめん。みんなに先に帰ってもらったんだ。」

良かった…。何だか泣きそうになった。

「あれ?どうした?」

「私、おいていかれたのかと…。」

凄い脱力感。でも本当に本当に良かった…。

「俺が悠ちゃんを置いていくと思う?」

そう言うと智樹先輩は私を引き寄せ、胸に収めた。

「あの…、先輩?」

私はそんな先輩に混乱する。

「二人になれるように響子や健に協力してもらった。もう限界だ。」

先輩は腕を少し緩めると、私の顔を覗き込んだ。

「悠ちゃん、好きだ。俺と付き合ってくれない?」

突然の事に声が出ない。

「ダメ?」
< 142 / 190 >

この作品をシェア

pagetop