私の横に居る人
「石野さんには俺から連絡しようか?」

どうも私の答えは必要ないようだ。

NOと言っても部屋に直行するんだろう。

智樹先輩は空いているスペースに車を止めると、電話をし始めた。

「石野さんのお宅ですか?…。はい、はい、やっと私の気持ちを受け入れてもらえました。そこで、これから悠さんをお借りしても良いですか?」

何やら嬉しそうな智樹先輩。

私は恥ずかしくてそれ以上聞いていられなかった。

スマホを操作し、聞かないようにしていた。

「ちょうど石野さんも奥さんも見えたよ。おめでとうだってさ。ちゃんとお付き合いの許可ももらったからね。」

いつの間にそんな話まで…。

そこにお母さんからのメール。

-悠、やったね!今日は斉藤さんとゆっくりしてらっしゃい。明日の夜に斉藤さんを連れて帰ってくればいいからね。夕飯用意しておく。-

私は赤面した。明日の夜って…。

今晩はどうしろって言うの!
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