私の横に居る人
「さあ、着いたよ。」

いろいろ話していたせいか、あっという間に着いたように感じた。

「3階まで上がるよ。ちょうど時間も良いみたいだね。」

エレベーター上の時計を見ると、3時少し前。

3階に着いて、智樹先輩に付いてドアの中を入ると、たくさんの人がいるスペース。

机の間をいろんな人が動き回り、口々に何か叫んでいるように見える。

私は圧倒されながら、智樹先輩の後を必死に付いていく。

「おはようございます。」

智樹先輩は挨拶をしながら、どんどん先へ進む。

いろんな人が挨拶を返しながら、私をチラッと見る。

でもどの人も忙しいみたいで、話しかけられる事はなかった。

「課長!石野悠さんです。」

奥の方の机の前で、智樹先輩が止まった。

「君が石野部長の娘さんか。よろしくね。」
< 58 / 190 >

この作品をシェア

pagetop