私の横に居る人
食事を済ませ、家の前まで送ってもらった。

「今日はありがとうございました。」

私は丁寧に頭を下げた。

「今度はもうちょっと良い所に食べに行こうか。」

「期待しないで、待ってます。」

私は意地悪を言った。

「思ったより、慣れてきたな。その調子。じゃあな。」

健先輩は今来た道を戻って行った。

どうやら先輩の下宿先は電車であと2駅先らしい。

かなり遠慮をしたが、健先輩は家まで送ると言ってきかなかったので、甘えさせてもらった。

「気を付けて下さいね。」

健先輩を見送ると、私は家の中に入った。

「お帰り。今日は斉藤さんと一緒じゃなかったのね。」

お母さんは分かりやすい。
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