どうぞ、ここで恋に落ちて
私にもそれが当てはまるのなら、私を魅力的な女性にしてくれるもうひとつの要素は、彼に恋をしていることだったらいいと思う。
女の子はきっと、いろいろなことに恋をして、どんどん素敵になっていくから。
仕事だったり、趣味だったり、物語だったり、好きな人だったり。
恋をするパワーが、女の子をうんとキレイに見せてくれるし、知らなかった世界へ連れて行ってくれる。
私は樋泉さんに恋をして、樋泉さんの隣にいることで、もっと輝ける私になりたい。
そして願うなら、樋泉さんにとってもそういう存在でありたいの。
「私を素敵な女の人に近付けてくれる何かがあるなら、私はそれを全部、樋泉さんからもらいたいんです」
女の子は砂糖とスパイスと、それから恋でできている。
私にとっていちばんの恋する相手は、いつだって樋泉さんがいい。
混沌としていた気持ちをようやく言葉にできたことで、私は晴れやかな気分で顔を上げた。
すると困った顔をした樋泉さんが耳を赤らめ、慌てて私から目を逸らす。
私の髪をなでていた優しい指先もピタリと固まって停止してしまった。
さっきまで常のシャイに似合わず余裕たっぷりだったのに、手のひらで口元を覆うと、恥ずかしそうに視線を泳がせる。