わたがしとキス
「いらっしゃいませ!」
学校祭当日、あたしたち2年E組のカフェは大行列ができるほどの
人気ぶり。
「ももか!もっと呼び込みいこー」
「うん!」
さらに呼び込まないとね!ってことであたしと鈴は
キャラクターのカチューシャをつけ、大きな看板を持ち宣伝を始めた。
「わー可愛い!2E行くね!」
通りすがりの人にそう言われてどんどん
お客さんが増えていくのは我がクラスの美女・鈴のお陰!
そのとき____
『ドンッ』
「きゃっ」
勢いよく誰かとぶつかってしまったあたしは
その場にしりもちをついた。
「大丈夫?!ごめんね」
すると目の前に差し出された細くて白い手。
その手をたどって顔を見れば、とっても綺麗な女の人だった。
上靴....あ、先輩だ!
「だ、大丈夫です!こちらこそすみません!」
あたしはガバッと立ち上がって深く頭を下げると
先輩はニコッと笑った。
...なんて綺麗な人なんだろう。
「どうかしたかしら?」
あたしがその美しさについ見とれていると
首をかしげる先輩。
「い、いえ!なんでもないです!それじゃあ...」
なんていうか、このままいたら自分の幼稚さに辛くなってしまう。
咄嗟にそう思ったあたしは駆け足でその場を後にした。