【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
「だめ?ヒメリ?」

 大きな瞳を、二人して揺らす。

これではあたしが悪いことをしているみたいだ。


「な、何言ってんのよ!これ以上、人を増やせるわけないでしょう!?」

 もう親にウソを突き通すのは、あたしも避けたい。

庇いきれなくなってしまうもの。


「ええ〜っ!」
「ええ〜っ!」

 大きな声を揃えて抗議してきた二人とは反対に、ベティは冷静だった。


「まあ、もっともな話だな」

 すっと腰を上げて窓辺に立つと、冷ややかにリュウセイを一瞥する。



「お前は、好きな女に嘘を重ねさせて平気だというのか」


 その言葉に、ぐっと口を紡ぐリュウセイ。

その押し黙った様子に、さらに畳み掛けていた。


「何しにきたのか思い出すんだな、リュウセイ。
お前が必要なのはリゲルなのか。……そこの、ヒメリなのか」


 名前を呼ばれて、あたしはビクンと震えてしまった。

だけど、それ以上に反応したのはリュウセイ。


 大切な人を選ぶなんて、そんなことをリュウセイができるわけないもの。



 意を決して高鳴る胸を押さえると、

「リュウセイ、リゲルを……っ!」



 あたしが言いかけたときだ。



「じゃあさっ!」

< 69 / 88 >

この作品をシェア

pagetop