【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
 話をぽきんと折るように声を上げたのはリゲル。

相変わらずニコニコと笑って、あたしの発言をやんわり中止させた。




「ベティがあたしをお嫁さんにすればいいのよ!」




 部屋に沈黙が流れる。

そして、彼もまた、石のようにぴたりと固まった。


「あ、あの…リゲル?」


 ようやく搾り出したあたしの声で我に返ったベティは、ズンズンと勇み足でリゲルの前に近づく。


「んなっ、何言ってるんだ!」

 ムキになって、顔を真っ赤にしている。

でもそんなベティにむかって、にやりと笑ったリゲルはツワモノのはずだ。


「じゃあ、ヒメリやリュウセイにこの星の男をすぐさま用意してもらうわ」

「もっとダメに決まってるだろうっ!?」

「なによ、ベティには関係ないじゃないっ!」

「バカか、これでも騎士団だよ!」

「あっかんべーっだ!意味がわかんないよぉ〜っだ!」


 二人のケンカみたいな会話に、あたしは到底ついていけない。

ぽかんと見つめていたあたしを小突いてきたのは、一緒に隣で見守っていたリュウセイ。


「ごめんね、ヒメリ。二人とも、いつもこうだから」

 困ったように、でも楽しそうにリュウセイは笑う。

そんな笑顔が、あたしにはとても嬉しかった。



「じゃあ、これを解決させてあげる」

 あたしはリュウセイに笑い返した。


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