【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
 あたしたちの笑い声は、強めにたたかれたドアのノックで遮られた。


「リゲルッ、お前の弟をどうにかしろ!」

 返事を待たずに扉を開いたのはベティ。

またもや眉をしかめていて、あたしはさらに笑ってしまった。


「ベティーっ、逃げるなんてズルイ!」

 バタバタと足音を鳴らして追いかけてきたのは、もちろんリュウセイだ。

がばっと抱きつくと、ベティは一層ゲンナリとした表情に変わる。


 にぎやかなひと時―……。

リュウセイにとって、どれだけ願ってきた時間なのだろうか。


 これから星に戻ったベティとリゲルは、きっとたくさんの困難が立ちはだかるのだろう。

それでも、さっきこの部屋の中心で顔を真っ赤にさせながら手を取り合った二人の姿は、紛れもない真実だから。





「リゲル、ずっと……オレの、隣にいろよ」

 ぶっきらぼうに小さくつぶやいたベティの口付けは、リゲルのキレイな肌に落とされた。


 蒼く浮かび上がり次第に紅く輝いた星の印。

手の甲には、あたしとは色違いのそれが美しく残る。



「はい、あなたと共に……」




 リュウセイ、少しは寂しかったかな?


でも、微笑んで見守っていたその横顔は……





 あたしはきっと、一生忘れないよ。


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