【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
 それは本当に早朝だった。


 気疲れした一日に、あたしは深い深い眠りについていた。

ずっと、きちんと眠れていなかったから余計だった。


「……うん、名残惜しくなっちゃうし」


 ぼそぼそと頭元で聞こえた声に、うっすらと意識が戻る。


 ……だぁれ?

それでも眠りが強くて、あたしはまぶたを開けられないでいた。


「じゃあ、いくぞ……」

 低い声と共に、カチカチと何かを回すような音。

そう、何度か聞いたことのあるトランス-言語変換機-のような……。



「ベティ!?」

 バタンと思い切り扉が開かれた音に、あたしは条件反射のごとくガバッと上半身を起こした。


「な…っ、なに!?」

 寝ぼけ眼で飛び起きると、目の前には貸したパジャマではなく、来たときに着ていたよくわからない服装のリゲルとベティ。

そして、見慣れてしまったパジャマ姿のリュウセイが、不安そうに肩で息を切らせている。



 一体、何事……?

ぼーっとした頭で目の前で繰り広げられる出来事に、あたしは目をしばたくだけだった。



「ベティ、リゲル!……黙って行くなんて、ズルい!」


 泣き叫ぶようなリュウセイの声が、シンと雪のように耳に残る。



 黙って、いく……?

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