【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
 まるで夢であったかのように、跡形もなく消えた二人。

気付けば、あたしのベッドの上で壁にもたれたまま肩を寄せ合いながら、リュウセイと眠っていた。


 起床時間に無理やり起こした重い瞼。

玄関の扉を開けば、冬のすがすがしい冷たい空気と太陽の日差しにはかなわない。


 久しぶりに晴れ渡った天気にあたしは目を細めた。


「ほら、いくわよ?」

 つま先でトントン、と地面を蹴る。


 振り返ると、相変わらず曲がったネクタイに、掛け違っているYシャツのボタン。

はあ…と深いため息をついてしまった。


「んもう、全然変わってないわね、リュウセイは」

「ごめーん」

 エヘヘ、と笑うリュウセイは、少しだけ目線が上だったことに気付いた。

きゅっとネクタイを締めなおしてあげ、Yシャツに手をかけようとしたとき。


「…ま、待って!僕、自分でやるから!」

 掛け違えたボタンをはずして丁寧に留めなおす。

その姿に嬉しい反面、どこか物足りなさも感じてしまうあたし。


 相当世話好きになってしまったものだ。


「……また、背が伸びたのね」

 微かに追い越したリュウセイの背丈。

そんなあたしの声は聞こえていなかったようで、リュウセイはようやくボタンを直し終わる。



「なんだか久しぶりの学校だ」



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