GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
慌てて鞄の中を探る。プリント類は大体つめこんでるから、ココにあるはず。
「あ、あった!」
グッシャグシャの提出プリントをよく見てみると、たしかに期限は今日になっている。
「いやーまっさらだな、お前」
「うっせーよ。今初めて見たんだ。手をつけてるわけがない」
問題内容を読んでみても、最初の楽勝な計算問題しかわかんね。
「快二、プリント見せようか?」
「あーわり、助かる!あとで返し行くわ」
准から大事にプリントを受け取って、鞄へしまう。そして、駅に電車を知らせるアナウンスが流れる。
…………だけど、アイツの姿は見当たらない。
「城薗さん、いないね」
「寝坊したか変なのに時間かけてんだろ」
巻いてみたのっていう髪は、寝癖かと思ったこともあるしな。
「女子は毎朝大変なんだな」
准がクスッと笑う。
そうだな、コイツのために今日も城薗は頑張ってくんだもんな。
あー羨ましいぜ、准のやつめ。
「あっ、来た。城薗さーん」