GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
准が遠くから猛ダッシュする女子に片手を上げる。噂をしていた城薗本人。俺の心臓の速さが少しだけ速くなる。
「志摩おはよう!いやー、間に合ってよかったっ」
ハーハー息をして笑いながら、准を見る城薗。
コイツ、准のことばっか見てんなよ。そんな意味も込めて、城薗に軽くデコピンをした。
「ったー!もうっ、何すんの快二」
「おーっす。いやー、お前汗かいてんのか?デコテッカテカだぜ?」
「嘘!?」
慌てながら鞄から熊型の鏡を取りだし、チェックする城薗。
「なんてな。ほら行くぞ」
「こんの快二めーっ」
城薗からバシッと背中を叩かれる。こんなことでも嬉しさを感じる。ったく、全然痛くねーっての。
「あっ、城薗さん足元……」
「う、うわっ」
電車に乗り込む前に背後から声がして振り返る。何かにつまずいたのか、城薗が准に体を預けていた。
…………んだよ、これ。
「ごっ、ごめん志摩っ」
城薗は顔を真っ赤にして、慌てて准から離れる。