GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「快二、顔変だよー」
いつの間にか、隣の席に座った城薗が俺を見てケラケラ笑う。そうそう、ラッキーなことにコイツとは隣の席なんだ。
「あ?お前のせいだよ。バーカ」
ぶっきらぼうに返事をして、城薗から視線をそらす。
でもな、こういう些細な会話ができるだけで嬉しいんだ。ま、内容は嬉しいもんじゃねーけど。
「なーんであたしのせいなのよっ。あたし何かした!?」
「おーしたした」
「何したってのさっ」
「それくらい自分で考えろっつーの」
そう答えて横目で城薗のことを見る。唇を尖らせてブツブツ言いながら怒ってるし。んだよその顔。マジ吹き出しそうなんだけど。
「ちょっとー。人の顔見て笑わないでよっ」
数学の教科書を出しながら、俺を睨む城薗。
そんな姿にも俺のしんぞーはドキドキするわけで、不覚にも可愛いなんて思ってしまうわけでありまして。
でも、俺とコイツとはさっきみたいに言い合う関係。犬猿の仲……みたいに思われているらしい、城薗には。