GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
むしろ、明日雨が降ってくれ。雨と雷と嵐と……なんて駅伝大会の中止を祈った俺だから、天気は俺の味方をしてくれなかったのかもしれない。
「……うっわ、スゲー晴天」
翌朝、眩い日差しが俺の眠気を取り払う。今日、何度目かになる欠伸をしながら駅までのんびり歩く。
「ふぁあっ。快二おはよー」
途中で、大きな欠伸をかましていた准と合流し、一緒に歩く。
「おす。昨日何時に寝た?」
「俺?今日のために帰って風呂入ったらすぐ寝た」
どんだけ今日に懸けてんだ、コイツ。
「快二、俺お前に負けねぇから」
急に真面目な顔をして言う准。
「悪ぃ。俺、走るのはお前に勝つ自信あるわ」
「そ、それは俺も認めるっつーの!」
准が言ってるのは、城薗のことだろう。
城薗のこと、譲らねぇってことだな。
俺だって負けねぇし。
そして駅に着いた。さっきまでの威勢がぶっとび、睡魔と戦いながらアイツを待つ俺達。