GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「あっ……」
准の姿が見え、思わず声を出してしまった。
結構キツそうな顔をして走ってる准。あ、俺に気づいたみたいだ。
そして、俺は准とすれ違った。
一瞬だった。
俺と准は目があった。
いつもならへへって笑ってる俺達。だけど、今日は違った。
俺も准も笑わなかった。
さっきまでの心配は一瞬で消え、すぐに走ることに集中した。
……准の奴、結構足速いじゃん。このままだったら、50位に入るのも……ううん、弱気になんな、俺!
まだ分かんねーじゃんか。
走っている足にぐっと力が入る。
俺だって、このままじゃ終われない。俺も結構バテてるけど……
『なによー、快二!』
城薗に、准より先に会いたい。
俺の前を走る背中が近くなっていく。
「たっ、高橋……はぁっはぁっ、お前まだ走れんのかよ」
俺に越された先輩が背後から声をかける。俺は少しだけ振り返って言った。