蟲狩り少女
「ねぇ……光磨……あなたには蟲が見えているの……?」


「……あぁ。見えている」


その返事にあたしの心臓はドクンッと跳ねた。


蟲狩り師にしか見えない蟲。


蟲狩り師にしか持てない武器。


蟲狩り師はあたしのお父さん。


お父さんの血を引いているのは……あたし。


なのに……どうして?


「俺の父親の名前は芽野大成(カノ タイセイ)お前の父親と同じだ。俺の名字は母親のものだから」


光磨の言葉が右から左へと流れて行く。


なにを言っているのか理解できない。


「なにを言っているの……? お父さんの子供はあたしよ……!」


「あぁ、そうだ。そして、俺もその1人だ」
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