蟲狩り少女
光磨の腕は筋張っていてゴツゴツしているように見える。


服を着ている時には全く気が付かなかった。


「最近鍛えているんだ」


少し自慢そうにそう言う光磨。


「そうなんだ」


男性がたくましくなりたいと思うのは当たり前の感情だと思う。


女性が綺麗になりたい、可愛くなりたいと思うのと変わりない。


「なんだかそっけない返事だな」


光磨があたしの相槌に不満そうに唇を尖らせた。


それはまるで小学生が母親に駄々をこねているような表情で、あたしの胸はキュンとしてしまう。


「そ、そんなことないよ。ちゃんと、すごいなって思ったよ?」


「本当かよ? 筋肉バカとか思ってないだろうな?」


「思ってないよ!」


あたしはブンブンと首を左右振って意思表示をする。
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