シンデレラに恋のカクテル・マジック

 翌日曜日、菜々は二時から永輝と一度通して練習をしてから、バーテンダーの制服に着替えて商店街のイベントスペースの噴水広場へ向かった。いつもは勢いよく水を噴き上げている噴水も、この時間はイベントの妨げにならないよう水を止められている。その噴水の前から、商店街事務所のプレハブの建物までの広いスペースがイベント会場で、事務所前に設置された仮設ステージまでパイプのベンチが並んでいる。客層も浴衣を着た小学女子のグループから高齢者まで、さまざまだ。

 菜々と永輝のフレア・ショーは、主婦グループによるフラダンス・ショーに続いて午後六時から行われる。

 アマチュアのジャズバンドによる演奏が終わり、主婦グループのフラダンス・ショーが始まると、菜々は永輝とともに仮設ステージ横のパイプ椅子に移動した。そこが出演者の待機場所なのだ。スピーカーから流れてくるのはのんびりしたハワイアン・ミュージックなのだが、いよいよ次だと思うと、やはり緊張して落ち着かない気分になってきた。

「緊張してる?」

 菜々が深呼吸を繰り返しているのに気づいて、永輝が小声で話しかけた。
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