シンデレラに恋のカクテル・マジック
「少し。昨日のフレア・ショーのときよりも、お客様がたくさんいるし……」
「大丈夫だよ。今までしっかり練習してきたし、今日の練習でも一度もボトルを落とすこと(ドロップ)も、こぼすこと(スピル)もなかっただろ? 自信持って。俺と菜々ちゃんなら、絶対に息ぴったりの最高のパフォーマンスができる」

 永輝が菜々を見てしっかりとうなずいた。その自信に満ちた表情が菜々にも伝染したのか、菜々の体の中に熱いエネルギーのようなものが湧き上がってくる。

(夜寝る前にも朝起きた後にも、アパートの部屋で一人で練習したよね。晴れた暑い日には公園で、雨の日には永輝さんの部屋で一緒に曲に合わせた)

 そうやって積み重ねた努力を信じてみよう。

(永輝さんと私なら大丈夫っ!)

 菜々は表情を引き締めて彼にうなずき返した。

 そのとき会場から拍手が起こって、フラダンス・ショーが終わったのがわかった。鮮やかな花柄の衣装とレイを身につけた八人の女性が、ホッとした表情で階段を下りてくる。次はいよいよ菜々たちの番だ。

「さ、行こう」

 永輝が菜々の肩を一度軽く叩いてから立ち上がった。

「はい!」
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