イジワルな君に恋しました。
聞こうとしても聞けない。
大希くんに見つめられ言葉が出てこなくなる。
一呼吸おいてから、再び尋ねようとする。
「それってどうゆうい……」
「陽菜」
少し前のめりになっていた私の手を引っ張り、大希くんと距離があく。
名前を呼ばれて、顔を上げるとムスッとした表情の奥村先輩が。
「先輩!もう終わったんですか?」
私の意識は大希くんからすぐに奥村先輩に移る。
椅子から立ち上がり、先輩と正面から向かい合う。
「終わったよ。ついでに。陽菜も当番交代」
「あ、本当ですね」
次の当番の人が後ろで待っている。