ひねくれ作家様の偏愛
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新幹線が東京駅のホームに滑り込む。
海東くんに会おう。
なんとしても会おう。
彼の実家を出てから、ずっと思っている。
私の気持ちをきちんと伝えなきゃ。
新幹線のコンコースから降りるエレベーターで海東くんに電話した。
また出てもらえないかもしれない。
でも、出るまで何度も電話しよう。
近隣で彼が遊びに行きそうな場所もとことんあたってみよう。
女の子の家とかに転がり込んでいることはまずないだろうけど、ホテル住まいなんかされていたらお手上げかもしれない。
もう一度、彼の家に行ってみて手がかりを探そうか。
すると、コール8回目。
改札の手前で電話が繋がった。
「海東くん!?」
私は思わず大声で彼を呼んだ。
周りの改札に向かう人たちが振り向く。