初恋しました




わたし……伝えても、いいのかな。


ずっと隠しておこうと、秘めておこうと思ってたこの気持ち。


木嶋くんに、言ってもいいのかな。



……ううん、言いたい。


ちゃんと、わたしの言葉で、わたしの気持ちを……伝えたい。



恐る恐る、自分の手を木嶋くんの背中に回す。


きゅ、と小さく力を入れると、その倍は強い力で抱きしめ返された。



「……き」


「ん?」



優しい声が、わたしの鼓膜に響く。


震える唇を動かせて、わたしは自分の想いを綴る。



「……志貴くんが……好き………っ…」



小さな小さな声だったけど、木嶋くんにはちゃんと届いたみたいで。


ぎゅう、と痛いぐらいに抱きしめられる。


それが逆に現実だってわたしに実感させてくれて。


ぽろ、と溢れた想いが一粒、涙となってこぼれた。





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