初恋しました
そっと、どちらかともなく腕を離す。
気恥ずかしくて、つい視線が下に向いてしまい。
でもすぐに志貴くんがわたしの顎を上げ、視線が絡まった。
ドキ、ドキと、自分の心臓が音を奏でる。
志貴くんの、どこか甘い熱を含んだ瞳に見つめられて。
わたしの体はそのうちキャラメルみたいに溶けてしまうんじゃないかと思ってしまう。
「七織……」
吐息が、かかるぐらい顔が近い。
無意識のうちに体が震える。
「……キス、してもいい?」
「へ、」
…………キス?
その単語に、頭の中が一気に真っ白になった。
次の瞬間にはカァッと体中が熱くなる。
「あああ、あの、待っ」
「ごめん、待てない」
気づいたときには吐息の代わりに、柔らかなものが唇に触れていた。