初恋しました
自分で自分を諫めて、視線を他に移そうとしてもやっぱり気になってしまう。
彼女は精一杯手を伸ばしているが。
………ちょっと待て。
これって見るからに危険じゃないか?
一生懸命になりすぎて彼女は気づいてないが、(恐らく)彼女の取ろうと思っている本の他にも棚からはみ出している。
このままだと本が……
声をかけようとした瞬間、目の前の彼女の手が本から離れて。
俺は慌てて彼女から本を守るように頭を抱いた。
ふわりと感じたのは、彼女の香りだろうか。
花のように、甘い香り。
一瞬だけ、心臓が速くなった気がした。
バサバサと本の落ちる音があたりに響く。
本のなだれが終わったと同時に、俺の手は自然と力を緩めた。
「あ……ごめんなさい!」
こちらを見てあわわと頭を下げる彼女。
サラリと見えるうなじに目がいく。
……さっきからの俺って。