初恋しました
「気にしないで。怪我はない?」
「はい。あなたが守ってくれたから……あなたは?」
自然と上目使いになる彼女に優しく微笑む。
「大丈夫」
そう言うとホッとしたように息を吐いた。
そしてまた慌てた顔になってしゃがみ、本を拾いだす。
俺もならって落ちた本に手を伸ばした。
「貸して。君じゃ届かないでしょ?」
全て拾い終わり、立ち上がった彼女に手を伸ばす。
少し躊躇っていたが、自分じゃ無理だと分かっていたためか、恐縮されながらも本を手渡してくれた。
「本当に、すみませんでした……」
「あ、いや、」
深々と頭を下げられて、逆にこっちが申し訳なくなる。
「『ごめん』とか『すみません』よりは『ありがとう』の方がありがたいんだけど……」
思わず本音をこぼすと、彼女は顔をあげてキョトン、とした。