初恋しました




「……あれ、あの子じゃないか?」




拓の指さす方向には……



「………うそだろ」



こちらに向かって歩いてきたのは、名前も知らない図書館の彼女。


俺の、初恋の人。


その人が俺と同じ高校の制服を着て歩いてくる。



落ちてくる桜の花びらを嬉しそうに眺めながら、坂を下り、俺たちのそばを通りすぎる。



「おい、よかったな志貴!
お前あの子と同じ学校じゃん!」


「あぁ……」



ヤバイ。ハッキリ言って現実味がない。


というか笑ってた。


というより微笑んでた?


あのときと同じ、優しい笑顔だった……



「志貴、これはチャンスだぞ?」


「…分かってる」



拓の言った通り、これはチャンス。


手に届かない距離にいたと思ってた子が、今は俺が手を伸ばせば届くところにいる。


俺が動けば、知ってもらえるまたとない機会だ。



「絶対に、捕まえる」



俺は過ぎ去った華奢な背中に向かって微笑みを浮かべた。







Fin.





< 47 / 47 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:8

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

婚約者に悪役令嬢になってほしいと言われたので

総文字数/17,798

恋愛(純愛)27ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「私のために悪役令嬢になってほしい」 「…………はい?」 ◇◇◇ 貴族令嬢 × 第三王子 ◇◇◇
血の味のする恋を知る

総文字数/18,067

その他29ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
その美しい夜に、血の味のする恋を知った ◇◇◇ 残酷な表現や流血表現などがあります。
わたしのスパダリな婚約者〜番外編〜

総文字数/7,366

恋愛(純愛)17ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
これはありふれた思い出話 ◇◇◇ こちらは「わたしのスパダリな婚約者」のクリス視点の過去のお話となっています。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop