初恋しました
「避けんなよっ」
「いや避けるだろ」
自ら進んで痛い思いをしたいと思うやつはそうそういないと思う。
普通は避けるよ、普通は。
「どんだけ、俺がどんだけ待ったと……」
「悪い」
「軽い!俺がどんだけ注目浴びたと思ってんだよ」
「でも迎えに行くっつったのは拓だろ」
しかも、ちょっと考えれば注目を浴びることぐらい分かるはずだ。
天才のくせになんでこういうところに頭が回らないんだろうか。
「行くならさっさと行くぞ」
「あ、待てよ志……あっ!!」
こいつ……そんなに大きな声だしてますます注目浴びるとか考えないのか?
もういい。他人のふりしよう。
スタスタと歩みを進める俺の後ろで拓が騒ぐ。
その口は閉じられないのか。
「ちょっ、志貴マジで待てって!!」
「……なんだよ」
ウンザリとした様子を隠すこともなく振り返る。
……そんな慌てて本当にどうした?
訝しげに眉をひそめる俺の肩を組み、拓が耳元で囁く。