君のために歌う歌
その言葉に、宙子は一瞬ホッとした。


しかし次の瞬間、


「でもやめときな。」


そう冷たく言った秋乃。


宙子は意外な言葉に「え…?」と凍りついた。






「あいつはいいやつだ。だけどね、誰にでも、そうなんだよ。信じない方がいいよ。」


秋乃は少し涙目に見えた。



陽翔に嫌なことをされたんだろうか。



そこからは、3人による陽翔の悪口ばかりだった。






誰にでも気を持たせるような甘い言葉をかける。

それでいて誰とも付き合わない。


転校先にそれぞれ彼女がいるらしい。


女の子と仲良くなるのはチケットを買わせるため。

 
男友達とつるまないらしい。


自分達もいいように使われてるだけに決まってる。


彼は誰にでもそう。嘘ばっかりだ。


ナンパ師だって陽翔とグルかもしれない。


宙子の事だってきっとファンにしようと思ってるだけだ。



あの時はあーだ、その時はこーだ、




ーー嘘か本当か分からない3人の話は、1時間ばかり続いた。
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