君のために歌う歌
「……ねぇ郷愛。」


校門を出て、坂を下りながら宙子は郷愛に話しかけた。


「なんだいブラザー。」


「……ヒロは、嘘をついていると思う?」


「……何に対して?」

 
「……全てに対して?」


「……全てが嘘ならもはやIt's true!自分にだけついてる嘘。」


「まぁ確かに……」


「どしたの宙子?誰かになんか言われた?」


郷愛は宙子をのぞきこんだ。


その様子に宙子は陽翔を思い出した。



途端、何故か涙がこぼれ落ちた。

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