君のために歌う歌
3日目。木曜日。


学校は文化祭準備期間に入った。



入り口のアーチを作るクラス、段ボールをたくさん搬入してお化け屋敷を作るクラス、


セミナーハウスからはカレーの香りが漂っていた。



宙子のクラスは、段ボールを貰いに行き、それを壁にするため何人かがレンガを書いていた。




もちろん、暇な人が沢山いる。



そういう人達はどこか他のクラスの友達のところか、部活のところか、帰ってしまったか。



宙子はその人数をまとめ切れず、また、まとめずともやる事も無い。

 
先生も全てを生徒に任せているようだったので、宙子は既に諦めていた。


秋乃達の姿もなかった。



(あんなにやる気満々みたいだったのに……。)




宙子は、手伝ってくれている数人に労いの言葉をかけると、郷愛の方へ行った。




「……郷愛、景品買いに行こうか。」


「おっけーいい感じー。」


郷愛はほっぺに指で丸印を作った。
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