ごめん、好きすぎて無理。
紗奈のお父さんとお母さんが帰られた後、
『じゃ、俺も邪魔者だから、そろそろ帰るよ』
海もそう言って、席を立ちあがる。
『………海!』
俺は立ちあがった海の名前を呼ぶ。
『海……あのさ……何度謝っても許されないことだとは分かってる。
けど、絶対に俺、紗奈を幸せにしてみせるから!』
俺がそう言うと、海はニコットと優しく微笑んでくれた。
『兄貴のお手並み拝見、ってやつだな!』
そう言うと、海は出入り口に向かって歩いていく。
『……ありがとう』
俺はその背中に向かって、そう言った。