ごめん、好きすぎて無理。
『……………ん……』
太陽の光が差し込み、その眩しさに俺は目を開けた。
気がつくと、もう次の日の朝だった…。
『……いつの間にか寝ちゃってたんだな…』
俺はまだ眠たい目を擦り、そして重い体を起こす。
昨日の紗奈の言葉、海の笑顔が頭の中に過る。
『……はぁー…とりあえず会わないようにしよ……』
と、思った、まさに、その瞬間…
『陸ー、起きてる!?』
ドア越しで海がそう呼びかける。
『…あ…起きてる』
俺の返事を聞くなり、海は急いで俺の部屋のドアを開け、開口一番に叫ぶ。
『陸、今晩、紗奈と宅飲みすっから!』
海の言葉に、俺は唖然とする。
『……あー…、うん、俺が邪魔者ってことね』
おいおい、宅飲みじゃなくて、どっか居酒屋とかで飲んでくれよ。
心の中ではそんなことを思いながらも、俺はなるべく笑うように心がけた。
『へ?何、言ってんの?
俺達、結婚前提の付き合いだから、紗奈と陸は兄妹になるかもじゃん?
だから、今から仲良くなってもらわないと、だから陸も一緒なんだけど?』
文法がおかしいの?
それとも海が使用している単語がおかしいの?
なんで、紗奈と会いたくないのに、わざわざ紗奈と会う機会を海は設けようとしてくれてんの?
『…いや、二人で飲めば?
なんつーか、俺、邪魔者じゃん?
海、彼女とは二人で飲め、な?』
俺は海に諭すように、そう言うも、海は俺の顔を怪しげに覗き込んでくる。
『……なんだよ?』
俺が恐る恐る問いかけると、
『陸、紗奈に惚れた?』
すっげー真顔で、そう問いかけてきた。