彼と私の事情
「この狸寝入り。わかるわ。」

何でわかったんだろう…

「何でわかったんだろうみたいな顔してるけど、眉間にシワよってるし、何よりも寝息がおかしい。冷静に考えればわかるわ。」

…このインテリ野郎…ちょっと優しさを感じたのに。

むっとして、布団にくるまって反対側を向く。

「どーせ、狸寝入りですもん。」

「そーかそーか、それでもそういう態度とるか。わかった。」

あろうことか立川さんはスーツの上を脱いだと思ったら、
布団を剥いで入り込んできた。

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