病むほど君に依存してる
「はっ、はじめまして!星河瑞季といいますっ」


 私に続き、どちらかと言えば幼いというか……可愛らしい顔立ちをしている彼も、自己紹介をしてくれた。


「はじめまして、僕は天霧(あまぎり)春人と申します」


 “天霧”って……あの天霧総合病院と関係しているのかな。

 普段の生活であまり聴かない苗字だし、この辺りで“天霧”って言ったら天霧総合病院しかないもんね。


「桃花さんのお友達ですか?」

「はいっ。神代先輩にはいつもよくして頂いて……あの、私、1つ後輩なんです」

「そうなんですか。無事に家まで送り届けますので、遠慮なく乗ってください」

「は、はい……」


 天霧さんは神代先輩の知り合いみたいだし、ここは甘えちゃっても大丈夫だよね?

 ゆっくりと、車の扉を開けて後ろの席に乗り込んだ。

 にしても……最初は神代先輩の家族の方なのかなって思っていたら違うみたいだし、仮にあの病院の人だとしたら、この2人はどういう関係なんだろう?


「今日はいつもよりゆっくり運転して。この子、悩んでいるみたいだから相談に乗りたくて」

「はい!桃花さんの望みであれば、いくらでも遅く運転しますよっ」

「……他の運転手の迷惑にならない程度にお願いね」


 名前を親しげに呼ぶなぁ……とは思っていたけど、会話自体も親しげというか、なんというか。

 相当長い付き合いなんだろうなぁ。

 ……ん?
 “付き合い”?
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